この記事は「レベル2を取ったら年収はどう変わるのか」を知りたい人のために書きました
非破壊検査のレベル2をすでに持っている方、あるいは今年中に取ろうと講習会の日程を眺めている方から、いちばんよく聞かれるのが「それで給料はいくら変わるんですか」という質問です。答えにくい質問ではあります。会社によって手当の設計が違いますし、同じレベル2でも配属される現場で単価がまるで変わるからです。ただ、答えにくいことと、判断材料がないことは違います。
厚生労働省の統計をもとにした非破壊検査技術者全体の平均は、年収 460.5万円・平均年齢 44歳です。ただしこれはレベル2だけを抜き出した集計ではありません。
レベル2が年収の話で特別扱いされるのは、資格の格が一段上だからではなく、JIS Z 2305 という規格が、レベル2に対してだけ「検査結果を解釈して評価する」責任を与えているからです。この一点が労働市場で値段のつく境目になっていて、レベル1との差も、レベル2同士で年収に開きが出る理由も、元をたどるとここに行き着きます。
会社ごとの手当の設計は外から確かめようがありませんが、規格の条文と公表されている統計は、誰が読んでも同じ値になります。
なぜレベル2から市場価値が変わるのか

JIS Z 2305 の認証制度では、レベル1・レベル2・レベル3のそれぞれに責任範囲が定められています。この責任範囲の違いが、そのまま「その人を現場にどう配置できるか」の違いになり、会社から見た必要人数の計算に効いてきます。
レベル1は、指示書に従ってレベル2またはレベル3の監督の下で、装置の調整、試験の実施、記録、分類、報告を行う役割です。規格は続けて、レベル1は使用する試験方法や技法の選択、および試験結果の解釈について責任を負ってはならない、と明記しています。つまりレベル1は、手を動かす部分は任せられても、「この指示が出た傷をどう評価するか」を決める立場には制度上立てません。
レベル2について規格が挙げているのは、雇用主が資格証明書に明記された力量の範囲で「実施する許可を与えてもよい」次の九つの項目です。
- 使用する試験方法に適用する技法の選択
- その試験方法の適用制限の明確化
- 規格・仕様書・手順書を実際の作業条件に適した検査指示書へ書き換えること
- 装置の調整とその検証
- 試験の実施と監督
- 規格や手順書に従った結果の解釈及び評価
- レベル2又はそれより下のレベルの全ての作業の実施と監督
- レベル2又はそれより下のレベルの技術者の指導
- 結果の報告
レベル1に許されていなかった選択と解釈が中心に置かれ、さらにレベル2以下の全ての作業を実施・監督するところまでが含まれています(日本非破壊検査協会 JIS Z 2305:2013 認証制度の案内)。
規格が言う「監督」は、該当者を常時そばに置いて監視することではなく、他の技術者が実施する行為を指示・管理して責任をもつことだと、同じ案内の注釈が明示しています。レベル2が現場に張り付いていなくても体制として成立するということです。裏を返せば、一人のレベル2が複数の現場や複数のレベル1をカバーできる構造になっています。しかも、これらは資格を取れば自動的に任されるものではなく、雇用主が許可を与えることで初めて実務になります。レベル2の価値は、会社がその人にどこまで許可を出して配置するかと切り離せません。
だから企業は、レベル2の人数をそのまま同時に受けられる案件数の上限として数えます。レベル1が増えても受けられる仕事の件数は増えませんが、レベル2が一人増えると案件を一つ増やせる可能性が出てきます。会社が資格取得を支援する動機も、レベル2に手当を積む動機も、ここから来ています。レベル2の市場価値は本人の技量の証明であると同時に、雇う側にとっては事業の制約が一つ外れることの対価でもあります。
レベル2取得者の年収水準はどのくらいか
厚生労働省の職業情報提供サイト job tag の非破壊検査技術者の職業詳細ページには、平均年収 460.5万円・平均年齢 44歳と掲載されています(令和7年賃金構造基本統計調査ベース、job tag 非破壊検査技術者)。同じページには、有効求人倍率 4.41倍・求人賃金 月額 23.7万円(令和7年度)、就業者数 85,860人(令和2年国勢調査)も載っています。
この 460.5万円という数字の読み方には注意が要ります。平均年齢 44歳という条件付きの値なので、レベル2を取ったばかりの20代がそのまま当てはめると実態より高く出ます。同じページには年齢別の値も出ています(令和7年賃金構造基本統計調査ベース、職業全体の集計)。
- 20〜24歳: 350.7万円
- 25〜29歳: 405.6万円
- 30〜34歳: 445.6万円
- 35〜39歳: 478.1万円
- 40〜44歳: 487.3万円
- 45〜49歳: 529.4万円(ピーク)
- 50〜54歳: 519.1万円
- 55〜59歳: 497.3万円
- 60〜64歳: 411.5万円
20代後半で400万円台前半、30代半ばで平均に届き、40代後半で頭打ちになります。
レベル2を考えるうえで年齢より近い軸が、経験年数です。同じページの経験年数別の所定内給与額(令和7年)は次のとおりです。所定内給与額は、基本給に資格手当などの諸手当を加えた毎月決まって支払われる給与で、残業代と賞与は含みません。経験年数は、いまの職種に就いてからの年数です。
- 経験0年: 24.22万円
- 経験1〜4年: 24.25万円
- 経験5〜9年: 25.64万円
- 経験10〜14年: 27.46万円
- 経験15年以上: 32.63万円
職業全体の平均で見ると、毎月決まって支払われる給与は経験9年までほとんど動かず、10年を超えたあたりから上がり始めます。レベル2の認証に必要な実務経験は RT や UT で9か月、MT や PT で3か月なので、取得のタイミングは多くの場合この横ばいの時期に重なります。資格を取ったからといって月々の給与がすぐに大きく変わるとは限らない、というのが統計から読める現実的な見通しです。なお、年収の 460.5万円は、残業代を含む毎月の給与の12か月分に年間賞与を加えて計算した値なので、所定内給与の12か月分との差は残業代と賞与の分にあたります。
年代ごとの内訳は年代・資格レベル別の相場をまとめた記事で詳しく扱っています。
もう一点、この統計はレベル2取得者だけを抜き出したものではありません。job tag 自身が、掲載している統計は「金属加工・溶接検査工」などの職業分類に対応する値であって非破壊検査技術者だけの平均ではない、と注記しています。レベル別に集計した公的な年収統計は本稿では確認できていないので、460.5万円は「レベル2の相場」ではなく「この職業全体の年収レンジ」として扱うのが正確です。
そのうえでレベル2の位置を推し量ると、レベル2は現場で判定を任される層、つまりこの職業の中核をなす層にあたります。有効求人倍率 4.41倍という数字が示しているのは、その中核層が慢性的に足りていない状態です。求人賃金の月額 23.7万円は入口の提示額であって在職者の平均ではないため、この二つを混同しないようにしてください。資格レベルと経験年数、業界を掛け合わせた全体像は年収の全体像を整理したガイドと資格レベル別・経験年数別の整理にまとめてあります。
同じレベル2でなぜ年収に差がつくのか:四つの要因
同じ職業の中でも、給与の幅は大きく開いています。job tag の賃金分布(所定内給与額、令和7年)では、月額20万円未満の人が約16%いる一方、40万円以上の人も約10%いて、中央は24万円台にあります(job tag 非破壊検査技術者)。この分布は資格レベル別ではありませんが、レベル2を持っている人同士でも差がつくのは実感に近いはずです。資格が同じで差がつくということは、差の理由は資格以外にあるということです。実務での効き方が大きい順に、手法の数、現場の種類、会社の事業構造、手当の設計の四つを見ていきます。
保有している手法の数と種類
JIS Z 2305 の認証は試験方法ごとに与えられます。UT のレベル2を持っていることと、UT と RT と MT のレベル2を持っていることは、制度上まったく別の状態です。手法が一つだと、その手法の仕事が途切れた時期に稼働が空きます。複数持っていると現場を横断して配置できるため、会社側の都合でも本人の交渉でも扱いが変わります。年収差の一番大きな源はここにあると考えて差し支えありません。
この要因が扱いやすいのは、投資額が制度として公表されている点です。一手法を追加するコストは、訓練時間の短い MT や PT なら 24時間と実務経験 3か月、長い RT や UT なら 80時間と 9か月で、選ぶ手法によって3倍以上の開きがあります。同じ「レベル2をもう一つ」でも、必要な時間とタイミングがまるで違うということです。
配属される現場の種類
同じ UT レベル2でも、プラントの設備検査に入るのか、製造ラインの製品検査を回すのか、橋梁やトンネルの点検に出るのかで、勤務形態が変わります。job tag は、非破壊検査の業務は一般的に予約制で特に繁忙期はない一方、石油プラントや原子力発電所など大型施設の検査では現地に2〜3カ月滞在することもあると記載しています(job tag 非破壊検査技術者)。長期の現地滞在を伴う現場と、通いで完結する現場とでは、勤務時間の組み方も手当の付き方も会社ごとに設計が異なります。どちらが良いかは本人の生活設計次第で、年収の額面だけで比較すると判断を誤ります。
会社の事業構造と元請け・下請けの位置
検査を自社の事業として受注している会社と、人員を供給する立場の会社とでは、同じ技術者が生む売上に対する取り分が違います。元請けとして検査計画から報告書までを引き受ける会社ではレベル2が計画側に関与でき、その関与が評価に反映されやすくなります。下位の請けに入る形が中心だと、作業単価が先に決まっているため、個人の技量が価格に転嫁されにくい構造になります。
雇用形態と手当の設計
資格が基本給に組み込まれているか、資格手当として別枠で支給されるかで、賞与や退職金への波及が変わります。同じ月額の手当でも、賞与算定の基礎に入らない設計なら年額への効き方は12か月ぶんで止まり、基本給に組み込まれていれば、たとえば賞与が年4か月分の会社では年間の差がそれより大きくなります。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、賃金の決定・計算の方法や昇給に関する事項を就業規則に定めることが義務づけられているので(労働基準法 第89条)、在職中なら資格手当の支給条件や昇給の仕組みは就業規則や賃金規程で確かめられます。求人票を比べるときは、月給の総額ではなく、基本給と手当の内訳、そして賞与が何か月分でどの基礎に掛かるのかまで見ておくと、実際の年収差を読み違えずに済みます。
レベル2の年収が伸び悩むとき、何が起きているのか
レベル2を取った直後は年収が動くのに、その後3年、5年と横ばいになる。この相談は珍しくありません。手法が一つのまま止まっている、同じ現場に固定されている、という上二つの要因は本人にも見えています。見えにくいのは三つ目です。比較対象を社内にしか持っていない状態です。
job tag は、この職業の中途採用について同業者間の移動が多いと記載しています。つまり、動く人は同じ業界の中で条件を見比べたうえで動いているということです。社外に出た人の条件は社内には流れてきませんから、残っている側から見える給与のばらつきは、社内の給与テーブルの幅そのものになります。自社の等級表を上から下まで暗記していても、それは自分の技量が業界全体でどの位置にあるかを教えてくれる情報ではありません。
この状態が厄介なのは、努力の方向が正しくても報われにくい点です。社内基準しか持っていないと、評価が上がらない理由を「まだ実力が足りない」と自分の側に引き受けてしまいがちですが、実際には会社の事業構造や手当の設計が天井になっていることも同じくらいあります。この二つは、社内の情報だけでは見分けがつきません。同じ手法・同じ経験年数の求人を数社ぶん並べて基本給と手当の内訳を比べる、あるいは同業に移った同期に実額を聞く。そのどちらかをやった時点で、社内で何番目かという話ではなく、業界の相場のどこにいるかが分かります。
天井が本人側にあるのか会社側にあるのかを見分けるには、まず三つを並べるのが早道です。保有している手法の数、直近3年で入った現場の種類、そして給与明細の基本給と手当の内訳です。この三つが揃うと、伸び悩みの原因がどちらの側にあるかはかなりはっきりします。
もう一つ付け加えると、社内で替えの効かない人になることと、労働市場で価値が上がることは、同じ方向を向くとはかぎりません。特定の客先の特定の設備に習熟して段取りが速くなるのは現場では歓迎されますが、その速さはその設備に紐づいた知識で、他社に持ち出したときの評価には変換されにくい性質があります。伸び悩みを感じたときに見るべきは、自分の頑張りの量ではなく、比較対象をどこに置いているかです。
レベル2から年収を上げるには何を積めばいいのか
何をどれだけ積めば条件が変わるのかは、制度上のコストとして見積もれます。訓練時間と実務経験の要件は公表されているためです。
二つ目・三つ目の手法をどの順で足すか
レベル2に必要な訓練時間と実務経験は、手法ごとに大きく違います(日本非破壊検査協会 JIS Z 2305:2013 認証制度の案内)。括弧内はレベル1を持たずに直接レベル2を受ける場合の値です。
- RT(放射線透過試験)・UT(超音波探傷試験): 訓練 80時間(直接 120時間)/実務経験 9か月(直接 12か月)
- ET(渦電流探傷試験): 訓練 48時間(直接 88時間)/実務経験 9か月(直接 12か月)
- LT(漏れ試験): 訓練 72時間(直接 120時間。圧力法・トレーサガス法は技法別に別の時間)/実務経験 9か月(直接 12か月)
- MT(磁粉探傷試験)・PT(浸透探傷試験): 訓練 24時間(直接 40時間)/実務経験 3か月(直接 4か月)
- ST(ひずみ測定): 訓練 24時間(直接 40時間)/実務経験 3か月(直接 4か月)
この差は、追加する手法の選び方に直結します。手持ちが UT だけなら、まず MT や PT を足して配置できる現場の範囲を広げ、そのうえで RT のような時間のかかる手法に取りかかる、という順序は投資回収の面で無理がありません。逆に、勤め先の受注が RT に偏っているなら、遠回りせず RT に時間を投じたほうが早く条件に反映されます。要件の一覧と難易度の比較は資格一覧と受験要件をまとめた記事にあります。
レベル3までの距離を制度で測る
レベル3は、申請する試験方法のレベル2を持っていることが受験の前提になります。レベル2は、レベル3へ進む人にとっては通過点でもあるということです。必要な訓練時間と実務経験は次のとおりで、実務経験は学歴で二分岐します(A=技術専門学校・短大・大学で工学または科学を2年以上履修した方、B=それ以外の方)。
- RT・UT: 訓練 40時間/実務経験 A 18か月・B 36か月
- ET: 訓練 48時間/実務経験 A 18か月・B 36か月
- MT: 訓練 32時間/実務経験 A 12か月・B 24か月
- PT: 訓練 24時間/実務経験 A 12か月・B 24か月
- ST: 訓練 20時間/実務経験 A 12か月・B 24か月
- LT: 訓練 72時間/実務経験 A 18か月・B 36か月
RT と UT はレベル3の訓練時間がレベル2の 80時間より短い 40時間で、数字だけ見るとレベル3は手が届く距離に見えます。ただし試験の性格が変わる点は織り込んでおいてください。レベル2の二次試験は実技で、検査指示書の作成を含めて各区分 70%以上が合格基準です。一方レベル3の二次は筆記で、手順書の作成を問う問題まで含まれます。現場の腕がそのまま点数になる試験ではなくなるということです。
資格手当がどれくらい効くか
資格が手当としてどの程度支給されているかには、公的な相場観があります。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査には、手当の種類別に支給企業割合と労働者1人平均額が出ています(令和7年就労条件総合調査 結果の概況)。非破壊検査に関係が深いのは次の二つで、支給企業割合は諸手当を支給している企業を100とした割合(括弧内は全企業に対する割合)です。
- 技能手当・技術(資格)手当(特定の技能・検査資格を持つ人への手当): 支給企業割合 53.0%(48.5%)/労働者1人平均 月額 21,500円
- 特殊作業手当(危険・有害業務など特殊な作業環境への手当): 支給企業割合 11.9%(10.9%)/労働者1人平均 月額 15,700円
放射線を扱う現場の危険手当を年収の主軸に置くより、資格の数を増やすほうが支給されている企業の裾野が広く、再現性も高い、という判断につながる数字です。なお、これは非破壊検査に限定した統計ではなく全産業の平均なので、自社の水準を測る物差しとして使ってください。
公的統計でレベル2の相場をどう調べるか
年収の話は、誰かの体感と自分の体感をぶつけ合っても結論が出ません。公表されている統計を自分で引けるようにしておくと、求人票を見るときの基準線が持てます。使う順序は次の三つです。
job tag の職業詳細ページで全国値と年齢別を見る
出発点は job tag の非破壊検査技術者の職業詳細ページです。全国値だけでなく、ページ内のセレクタで都道府県別の値に切り替えられるので、全国平均を確認したうえで自分の勤務地の値と比べる、という順で見ると土地勘がつきます。都道府県別に切り替わるのは就業者統計と求人統計で、賃金分布のグラフは全国のみです。
賃金構造基本統計調査で産業と企業規模の差を見る
job tag が引用している元データが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査です(賃金構造基本統計調査)。この調査は職業別だけでなく産業別・企業規模別の集計を持っているので、勤め先の属性による差を見るのに向いています。令和7年の所定内給与額(月額)を正社員・正職員に限って見ると、男女計で 358.8千円、製造業で 346.1千円、企業規模別では大企業 414.1千円・中企業 344.4千円・小企業 315.0千円です。規模だけで月額約10万円の差があるので、転職先を比べるときは資格の話より先に企業規模を見ておく価値があります。
統計で分からないことを先に確定させる
レベル別の集計は公的統計に存在しないため、「レベル2の平均年収」という数字は職業全体の値に自分の条件を重ねて推定する形になります。これに加えて、賃金構造基本統計調査には対象範囲の制約があります。この調査が対象とするのは事業所に雇用される労働者なので、個人事業主やフリーランスとして働く人の収入はこの数字に入っていません。独立や業務委託を視野に入れている場合、この調査の数字は参考の外側にあると分けて考える必要があります。
統計と求人票を突き合わせるときは、両者が測っているものの違いに注意が要ります。job tag の年収は、残業代を含む毎月の給与の12か月分に年間賞与を加えた在職者の値です。一方の求人賃金 月額 23.7万円は、ハローワークに出された求人の賃金の年間平均で、入職時に提示される額です。計算の土台が違うので、求人賃金を12倍して年収と比べるような直接の引き算はしないようにしてください。
レベル2は持ち続けないと市場価値に戻らない

資格を市場価値として考えるとき、取得と同じくらい効いてくるのが維持の条件です。JIS Z 2305 の認証には有効期間が5年あり、5年目に更新登録、10年目に再認証登録という節目が来ます。更新は提出書類による審査ですが、再認証はレベル1・レベル2の場合は実技試験を受け直すことになります(日本非破壊検査協会 資格情報)。
さらに、資格証明書が無効になる要件が定められています。視力に関する要求事項を満たさなくなった場合、倫理規程に違反した場合、そして連続した1年、又は2回以上の期間の総計で2年間を超える中断によって関連する検査業務の職務を遂行できなかった場合です。この中断の条件は二本立てになっていて、既に中断歴がある人は、今回の離脱が1年未満でも通算のほうで先に上限に達する可能性があります。「1年以内なら大丈夫」と単純化しないでください。
キャリアの判断に引き直すと、検査の現場から完全に離れる異動や転職は、資格という資産の側から見るとコストを伴うということです。管理部門や営業への異動、あるいは別業界への転職を検討するときは、戻ってくる可能性をどう見積もるかによって、判断の重みが変わってきます。逆に言えば、現役で回している人だけが供給量として数えられるからこそ、有効な認証を持ち続けている人の希少性が保たれている、という構造でもあります。
レベル2の現在地をどう評価し、次に何を決めるか
レベル2に値段がつくのは、規格が結果の解釈と評価の責任をこのレベルに置いていて、会社がそれを同時に受けられる案件数として数えるからでした。公的統計から見える範囲は、この職業全体で平均年収 460.5万円・平均年齢 44歳、20代後半で400万円台前半、40代後半でピークという形です。そして同じレベル2の中で年収差を生んでいるのは、手法の数、現場の種類、会社の事業構造、手当の設計の四つでした。
次の一手を決めるなら、まず自分の手法の数と、その手法が勤め先の受注とどう噛み合っているかを書き出してみるところからです。手法が一つなら、訓練 24時間・実務経験 3か月で届く MT や PT を足すのか、80時間と 9か月を投じて RT や UT に踏み込むのかで、回収までの時間がまるで違います。そのうえで、いまの職場で条件を組み替えられるのか、それとも会社の事業構造そのものが天井になっているのかを見分けることになります。
その見分けは、社内の情報だけでは付けにくいのが正直なところです。テンキャリでは非破壊検査やインフラ維持管理の領域に絞ってキャリアの相談を受けていて、いま持っている手法と経験がどの業界でどう評価されるのかを、実際の求人条件と突き合わせて整理しています。転職するかどうかは話してから決めれば大丈夫です。無料キャリア相談で選択肢を並べ直すだけでも、次に積むべきものはかなり見えやすくなります。
